5月18日には衆議院の法務委員会で、与党が入管法改正の強行採決を行うのではと報道されていましたが、世論では大きな反対意見が盛り上がりました。
当会でも17日に、自民党本部、衆議院の国会対策委員2名、法務委員会所属の国会議員33名宛てに下記のような要望書をFaxで送りました。
採決の期日が翌日と迫る中、国内の会員3名が素早く手分けして送信してくれたことに感謝します。
与党は採決をあきらめ、今国会での審議は続けないことになり、廃案になるという見通しもあります。しかし、今後もどんな改正案を新たに示してくるか危惧されるため、人権重視の社会を構築するためにもしっかり注視していきたいと思います。
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私たちは現在国会で審議されている入管法改正案を取り下げ、難民受け入れをはじめ国際人権基準に基づく外国人政策を求めます。
3月、名古屋入管内で収監中のウィシュマさんが医療を受けられないままに死亡し、死後2か月になりながらその真相が明らかにされず、死因すらわからないまま大きな問題になっています。命が失われる状況が解明されない中での拙速な法改正の審議に、全国で抗議の声が上がっています。
ウィシュマさんだけでなく、各地の入管内でこれまで20人以上が自殺やハンスト餓死などで収容中に亡くなりながら、その真相が解明されず責任も明らかにされていません。収容者への暴行も横行しています。令状もないまま収容され、収容期限の上限もない恣意的な運用の日本の入管収容制度は、(国連の定める)自由権規約や拷問等禁止条約のような人権条約に照らして大きな問題があり、人間はこのような扱いを受けてはいけないと言わざるを得ません。日本人配偶者や子どもがおりながら長期収容されている人々も存在します。
現在審議中の「改正案」は、さらに入管の権限を強め、強制送還を強力に推し進める内容であり、国連では3月にこの改正案について「国際的な人権水準に達していない」と日本政府に指摘しました。日本の難民認定率は0.4%と限りなく0に近く、国際水準にははるかに及びません。難民認定中は故国に送還しないという規定を外す入管法「改正案」は、日本に逃れてきた難民の命を奪うものです。
「国際結婚を考える会」は1979年の設立以来、外国籍家族の安定した在留資格をはじめ、国籍選択制度の廃止、外国籍取得者が日本国籍を自動喪失しない国籍法改正などを求めて活動してきました。私たちは国籍によって差別されず、誰もが尊重され人間らしく生きられる社会を望んでいます。現在140万人を超える日本人が国外で暮らしており、日本で外国人の人権が大切にされることは、在外日本人の人権を守ることにも直結します。今求められているのは、根本から国際基準の人権を守る仕組みを構築することであり、外国籍住民やその家族が社会の一員として権利が保障される社会を望みます。
国際結婚を考える会
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