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執筆者の写真トルン紀美子

ドイツ 全面的な重国籍容認へ

更新日:5月4日

これまでドイツには、EU以外からの外国人がドイツ国籍を取得する際には原国籍を放棄することや、ドイツ人がEU以外の国の国籍を取得する際にも事前の許可を取らなければ自動的に喪失するという、ヨーロッパの中でも厳しい国籍法の規定がありました。

8月23日にドイツのニュースで、国際的な人材確保の競争力強化の観点から、ドイツ在住の外国人がドイツ国籍をより取得しやすくするために国籍法を改正することが国会で提案されたと報道されました。来年2024年前半の成立を目指しています。


これまではドイツに正規の滞在許可で8年以上住んでいればドイツ国籍取得を申請することができましたが、改正後は5年、もしくは特別にドイツ社会によく溶け込み貢献していることが認められれば3年に短縮されることになります。

ドイツ国内のニュースでは、国内の外国人の複数国籍容認の部分が大きく報道されていますが、ドイツ内務省の正式サイトでは、ドイツ人の外国籍取得の際にも、事前の許可を得なくてもドイツ国籍を喪失しなくなることが記載されています。


下記に、ドイツ内務省の公式サイトのドイツ語版と英語版のリンクをお知らせします。




このページの一番下のほうの、三つの吹き出しの最後の「To whom will the rules on multiple citizenship apply?」をクリックすると「In addition, all German nationals who wish to acquire another citizenship will be able to retain their German citizenship automatically. They will no longer need to apply for permission to retain their German citizenship.」

という答えが出てきます。


日本では現在、日本人の外国籍取得の際に日本国籍が自動的にはく奪されてしまうことについての違憲訴訟がいくつも提訴されています。当会の「日本とドイツ間の国籍取得時の帰化通達条約(相互通報協定)について」というお知らせ記事にもあるように、ドイツと日本間にはこれに関連して特別な取り決めがあります。ドイツ国籍を取得した日本人は、ドイツの役所で帰化証明書をもらう際に日本旅券を手渡さなければならず、それはその人の出生証明書の情報と共にドイツの役所からベルリンの日本大使館に送られるので、日本政府には誰がドイツ国籍を取得したかが把握できるようになっています。このドイツの法改正後にもこの処置が継続されるのか、大変興味深いところです。


ドイツ版ニュースダイジェストの9月1日付Nr.1201の2ページ目の記事もご紹介します。

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